鬼そば屋七代目、雲原から難波へ“次代につなぐ”講演録 付き人メモ

■ 講演録(付き人メモ) 佐々井 飛矢文(ささい としふみ)さん|大江山鬼そば屋 七代目共同店長(通称:なゝ姫) 登壇日:2025年5月31日(土)|会場:がんこ寿司 難波本店 (第55回 大阪大江会 総会・懇親会)

※以下の本講演録は、当日記録をもとに、付き人・鎌田誠の視点にて編集したものです。


■ 雲原からの風、鬼とともに語る“真面目なそば屋”の本音

私、鎌田誠は、この日、佐々井さんの“付き人”として会場に同行しました。壇上に立つわけでもないのに、なぜか受付で一礼しただけで「関係者感」がにじみ出ていたのか、周囲から「あの方が…?」と目を向けられ、内心そわそわしながらも、誇らしい気持ちでいっぱいでした。

福知山市雲原──大江町の隣村でありながら、大江山を通じて精神的にも文化的にも深くつながる地。 この雲原の江笠山を登った先には、麻呂子親王が鬼賊退治を祈願し、七仏薬師を刻んだとされる仏岩が今も静かにたたずんでいます。 その山のふもと、伝説とともに暮らす「大江山鬼そば屋」七代目共同店長が、今回の語り手──“なゝ姫”こと佐々井さんです。

講演では、硬くて太い“怖いそば”の名に象徴される郷土の味と、それを観光用でなく生活の延長線上で守ってきた佐々井さんの想いが、真っ直ぐに語られました。


■ 店を継いだのは“覚悟”ではなく“つながり”だった

移住後に地域と向き合う中で迎えた一つの転機。 経営難により店を閉める決断が迫られていた中、「また来年来るわ」という常連の一言が背中を押したというお話。 「郷土の蕎麦文化が消える瞬間を、ただ見過ごすことはできなかった」──その言葉に、私は横で聞きながら胸が熱くなりました。

借金ごと引き継いだ経緯に、暮らしと文化を守る強い意志を感じると同時に、「履歴書に“七代目を継いだ”と書ける人生って、面白いやろ?」と笑う姿に、何よりも“この人らしさ”が詰まっていました。

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■ よそ者として、5年かけて溶け込んだ地域

「雲原は明るい。でも“本当の仲間”になるには5年かかる」 地域に入る苦労、文化的な違い、誤解や噂、視線──

それらを越えたのは、「ありがとう」「ごめんなさい」を欠かさない言葉と、小さな行動の積み重ね。 10年かけて築いてきた信頼の重みは、付き人の私ですら感じるものでした。

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■ 北近畿を“面”でつなぐ、地域観光の構想

“点”ではなく“面”で。 北近畿全体をひとつのフィールドと捉え、鬼退治伝説に基づく神社との連携や、鉄道・道路・施設間の相互設置による周遊観光など──

その発想力と、それを具体的な行動へと落とし込んできた積み重ねの実行力に、みなと一緒に聴き入ってしまいました。

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■ 学校問題が起爆剤となり、はじまったドラム缶レース

終わるわけじゃない。次にバトンを渡すだけ

そう語った佐々井さんの声には、地域イベントにかける本気と遊び心が絶妙に同居していました。 ドラム缶を転がしながら、笑いを生む。そしてその笑いが、次代の活力につながっていく──そんな“鬼のような笑顔”が印象的でした。

そもそもこのドラム缶転がしレースは、学校の統廃合という地域課題に対して、「何かやらなあかん」という想いが火をつけたのがきっかけ。学校問題が起爆剤となり、地域の大人たちが立ち上がり、やがて雲原の名物イベントとして全国に知られる存在にまで成長しました。

なお、「ファイナル」と銘打っているものの、「きっと誰かがまた“やろうや”って言い出すと思います」と、佐々井さんらしい前向きな笑顔が印象的でした。

ドラム缶レースを語る これがきっかけで移住に


■ 会場は拍手喝采、人気者まっしぐら

講演中、会場は終始静かで集中した空気に包まれていました。とはいえ、決して堅苦しいものではなく、佐々井さんの語り口に引き込まれ、笑い声が何度もこぼれました。 参加者は前のめりに聞き入り、時には大きくうなずきながらメモを取る方の姿も。

拍手の数、共感のうなずき、そしてその後の宴席での囲み具合──まるでアイドルの囲み取材のようでした。

それにしても…グリーン車は気持ちいいですね。 しかもなんと、佐々井さんがグリーン料金をおごってくださいました。 帰り道、そんな“特等席の余韻”に浸りながら、心地よい疲れと達成感を噛みしめました。


■ 最後に──変わり者でも、真面目にやってます

「変わり者でかまへん。ちゃんとやってる。それだけ見てくれたらええ。」

講演の中盤で、地域との関係や誤解されることに触れながら、ぽろりと出たこの言葉。

「肩書や外見にとらわれず、この地でどう生きてきたか」── 付き人としてそばにいた私には、その言葉の重みと説得力が痛いほど伝わりました。

そして何よりも大事なことは、今の暮らし、文化、想いを「次代につなぐ」こと。

佐々井さんの語りを通して、私たち一人ひとりがその使命を共有した、そんな一日になりました。

佐々井講師をセンターに記念撮影

※本講演録は、当日記録をもとに、付き人・鎌田誠の視点にて編集したものです。

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